でも、言えるわけがない。 言ってしまえば、未来は変わってしまうかもしれない。 だから、絶対に言えない。 それなのに──。 『お前がいた時代が平和なら俺は……俺達は散っても構わない』 そう言った彼の顔が忘れられない。 もし、私が言っていたら未来は変わっていて、彼らの運命も変わっていたかもしれない。 今頃、悔やんでも遅い。 彼とはもう逢えないのだから──。