すると、呆れたような溜め息が聞こえた。 そして──。 「怖いなら出ていこうとするんじゃねぇ。何かの縁だ、此処にいろ」 溜め息を吐いた人物、土方さんが素っ気なく言う。 「でも……」 「でもじゃねぇ。死にたくねぇなら此処にいろ」 土方さんの有無言わせない言葉に、襖から手を離した。 そして、体の向きを変えて、正座すると頭を深く下げる。