「おい、皆!」 すると、斎藤が珍しく血相をかいて走ってきた。 「どうした、斎藤?お前が廊下を走るなんて珍しいな」 「申し訳ありません、土方さん。急ぎ知らせねばと思いまして」 「急ぎ?」 「はい。隊士の一人が屯所を出ていく向井を見たそうです」 「それはいつだ!?」 斎藤の言葉に、原田は食いつくように身を乗り出す。