自然と触れた手を、どちらともなく握る。



空を見上げた。



あの日、初めて助けられた日。

あんなに曇っていた空が、今は綺麗に澄み渡っている。



それから幾度となく空と共に変化してきたあたしの心。



鈍色だったあたしの心を、彼は天色にまで変えてくれた。



鈍色から、天色へ。


この出会いを、大切にしたい。


この人と一緒に過ごしていきたい。



あたしたちが見上げる空は、どこまでも綺麗な天色に染まっていた────。













『鈍色、のちに天色。』

fin



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