────あのね、陽希。


わかっちゃったよ。



あたし、陽希のことが好き。



友達としての"好き"ももちろんあるけど、恋愛の"好き"の感情があることに、気づいちゃったよ。



ううん、前からこの感情の存在には気づいてた。



目を逸らして、気づかないふりをしていたんだ。



でも、もう認めざるを得ないよね。



だってあたし、陽希のことすごく好きなんだもん。




「……この安全ピン、まだ陽希が預かってて」


「俺が?」



「そう。あたしがもう1度走れるようになったら、そしたらもらうから」




これで、約束ができたよね。



あのときはあたしがいなくなっちゃったけど、今度こそは大丈夫。

もう逃げないから。




「……わかった、俺がちゃんと持っとくな!」


「……うんっ」




なんでだろう。


世界がキラキラ輝いて見えるの。



幸せが溢れ出てくるのを感じる。



こんな世界、久しぶりに見たよ。



これよりもっと先の世界を、あたしは知らない。



知っていきたい、陽希と一緒に────。







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