「……おはようさん!起きとうか?」


アポなしで、姉が飛び込んできた。


思わず、むせる。


「なんや、大丈夫か?」


咳き込む俺をみて、キョトンとした姉は封筒を突きつけてきた。


「……っ、いきなり、なんだよ」


痛い。

どうやら、水が気管に入ったらしい。


「姉さん、いつも言ってるけどよ……アポ入れてから来い……」


「は?何で、うちがそなめんどくさいことをせなあかんの?別にあんたが女を連れこんどっても、なんも言わへんから、ええやろ、べつに」



確かに、家に女は連れ込まないが。


頼まれても、連れてこない。


誰が自分から、私生活を侵害させるかよ。


……って、そういう問題ではないだろう。