さらり…


髪をかき上げて、俺の方を向いた神谷が滅茶苦茶、扇情的に見えて、思わずゴクリと息を飲んだ。



ちっ

そんなに俺を煽んな。

人目の憚らずに、抱き締めたくなんだろーが。


そういうつもりで神谷に視線を流すも、それは神谷には届かず、代わりに隣の須賀が今にも噛み付かんばかりに俺を見ていた。


だから、俺はわざと余裕たっぷりの笑みを浮かべる。


俺は、お前にゃ負けねぇよ?


爪の先から、髪の先…余すところなく。
触れたことのない場所がないくらいに神谷を愛して…。


ぐずぐずに甘やかすのは、俺だ。


そう思って、更にニヤリとした笑みを加えた。