「俺もお前を抱きたい。

すげぇムカつく。

でも……

心の準備が出来るまで、いつまでも待つ」




そんな戸崎に告げていた。



「いいよ」




戸崎は驚いてあたしを見た。

その、形のいい瞳を見開いて。





「でも……」



「戸崎の家に、泊まらせて」





戸崎はあたしを見て、顔をくしゃっとさせた。

泣いているような笑みだった。

そんな戸崎が愛しくて、唇を重ねた。

宝石みたいな東京の夜景を背景に、あたしたちは甘くとろける口付けを交わしたんだ。