「山形……」




愛しい山形に手を伸ばす。

胸がズキズキと痛む。




山形は一瞬驚いて俺を見て……

俺から逃げるように身体を固くする。





「ごめん……ごめん……戸崎」




消えそうな声で告げ、大粒の涙を流す山形を、力いっぱい抱きしめていた。




こんなに折れそうで儚い山形を、俺はたくさん傷つけた。

それでも、山形は俺のもとに帰ってきてくれた。





「ごめん……」



謝り続ける山形に、



「大丈夫だ。もう何も言うな」



静かに告げ、その身体が離れないよう、きつくきつく抱きしめた。