「あたしのせいで…… 彼が怪我をしたんです」 あたしの声は震えていた。 「あたしはやっぱり、あいつに近付いてはいけなかったんです」 今日も戸崎に連絡しないでおこう。 毎日会うような関係は、戸崎にとって邪魔でしかない。 治療中の戸崎は、もちろんあたしを待ち伏せすることなんて出来ないし…… そう思ってビルを出た時…… 「よぉ」 あたしの大好きな声が聞こえた。