午後の授業は、いつも通りざわついた教室でやる気のない連中と受けた。


移動教室のとき、廊下ですれ違いざまや遠巻きにこっちを見てコソコソとなにか言っている子たちがいた。


今朝の一件で妙な噂が出回っているせいだろう。

いったいどれくらい広がってしまったのかな。


ひとまず気にしないでおこうと思う。

家に連絡されたり狼谷先生が処罰を受けたりすれば放ってはおけなくなるが、今のところそんな様子もないから。


――エリカのグループに啖呵を切った。


それが、いちばんの問題。


もう、戻れない。

ただの大人しい優等生には。


わたしがどんなやつかってエリカたちにバレた。

バラした。


……そうするしか、なかった。

あいつらのいいなりになるわけにいかなかった。