おかしい。

これは……


「どしたの、モト公」

「……っ、」


ふわっと風を感じ、すぐ隣に先生の顔がきて

耳元で声が聞こえた。


「なんか見つけた?」

「……は、」

「ん?」

「離れて下さい……」


というか、わたしが、離れます……!!


なにこれ。

なにこれなにこれ……!!


ドキドキして仕方ない。


相手は……

相手は、狼谷先生なのにっ……


囁かれた声が無駄にイケボでドキッとしてしまった。

あまりにも近くて、息がかかるかと思った。


「つーか、俺、今モト公と2人きりだから『先生』でいる必要ねーよな?」


は!?


「ここ、まず誰も来ないし。鍵なら閉めといたし」


そういって、シャツのボタンを外す。


上からひとつ。


またひとつ。


いやいや。

待ってください。


なにしちゃってんの先生……?