なんか、やだな。
先生にチクってるみたいで。
わたしは別にエリカたちのことを誰かに告げ口するつもりもなければ、助けてもらいたいわけでもない。
これはわたしの問題だし、ことを大きくしたくない。
「先生、色々とありがとうございました。でも、そのノートは………捨ててください」
せっかく繋ぎ合わせてくれたけど。
そんなのもう使えない。
目の前でトイレの床に踏みつけられたそのノートを使いたくない。
「わたしはこれで……」
「どの問題?」
「……はい?」
「どこ間違えたの」
「そんなの……聞いてどうするんですか」
「言えよ」
どうして先生、わたしにかまってくるんだろう。
生徒同士のトラブルなんて面倒なだけなのに。
パラパラとページをめくり、問題のページを確認する。
しかし、先生
よくここまでつなぎ合わせてくれなぁ……。
なにも、ここにいる必要なんてなくて。
今すぐこの部屋から出て行くって選択肢はあるのに。
わたしは、どうして先生に抗えないんだろう。
「あ、ここです。ここの……」
――あれ?


