先生と向かった先は――屋上だった。


「わたしの教科書……!」


放り投げられたようにバラバラに落ちていた、わたしの私物。


「こりゃ、酷いね」


足跡がついているものや表紙が破られているものまで。


「あ、ちょっと待って」


それらを拾い集めようとしたところ、先生にストップをかけられる。


「念のために」


その場でパシャパシャと写真を取り出した先生。

現場検証ですか……?


「いいよ」


そい言われてかき集める。

先生も拾うのを手伝ってくれた。


「……多分、全部あります」

「使うの? 汚れちまってるけど」

「当然です。幸い被害は表紙とか表面なので問題ありません」

「前向きだねぇ」

「買い直すこと考えたら……余裕です」