「君になにがわかるんだ?」
会長が、レオを睨みつける。
「わかりたくもないよ」
「なんの苦労もせずに生きてきて。問題起こせば寝ていても親が解決してきたんだろ?」
「たしかにボクは結構ヤバイことしてきたかもね。してるときは自覚なかったけど」
「君みたいなクズはいなくなればいい」
「ボクがクズなんてそんなの、どうでもいいんだってば。許せないのは。モトコのこと欲しいからって無理矢理キスしたことだ」
「!」
「わかるよ? 癒やされたかったんでしょ。傍に置いて。でも、モトコの気持ち無視してやっちゃだめ。それがわかるようになっただけボクの方が紳士ではあるよね」
そういうと、レオが会長を殴った。
殴られた会長がレオを殴り返す。
「っ、レオ……!」
「いったいなぁ。殴られのって、こんなに痛いの?」
「……バカ」
お坊ちゃんがケンカなんて挑まないでよ。


