……あなたはこの学校を

本当は、どうしたかったの?


「佐々木」

と、現れたのは副会長だ。


「お前が壊れてしまったとすれば、卒業式のことがきっかけなんだろう?」


(卒業式……?)


いったいなにがあったの?


「副会長……卒業式って?」

「多くのケガ人を出す騒動が起きた」

「そんな話、聞いたことないです」

「そりゃそうだ。なかったことにされたからな」


副会長は、言った。

ケガした生徒の中には佐々木会長の友人もいたと。


誠意のある謝罪をさせたくても

その件について触れることを禁じられたと。


「騒ぎを起こした生徒は議員の息子だった」


だから、事件は大きく扱われなかった……!?


「なぁ佐々木。あのときお前は言ったよな。この学校をもっとよくしたいって。それって、暴走族にめちゃくちゃにさせることだったのか?」

「……違う」


か細い声で、会長が答える。


部屋がシンと静まり返ったとき


「あはは」


レオの笑い声が、響いた。


「ただの親子げんかじゃん。そんなのに巻き込まないでよ」