「モトコ……!」


身体が勝手に会長を追いかけていた。


あんな腹黒、キライなのに……。


「待ちなさいよ!!」


わたしの言葉に、ピタリと足を止める会長。


うしろから心配して追いかけてきてくれたレオにストップをかけ、わたしだけ会長に近づく。


「僕のこと追いかけてくるなんて。よほど好かれちゃったみたいだね」

「気持ち悪いこと言うな腹黒眼鏡」

「相変わらずのツンデレさんだ」

「うっさい。生徒会……辞めるつもりじゃないよね?」

「辞めるよ」

「は……? ふざけないで。任期まだ残ってるのに無責任すぎでしょ」

「君は心が折れたことってあるかい?」


(……え?)


「僕は、あるよ。何度もね」


振り返った会長は穏やかに笑っていた。