『誰にも言うなよ?』




 *



「喧嘩……? 佐々木会長と小林副会長が?」


千夏の話だと、2人が生徒会室でヤバイ雰囲気になっているらしい。


「私には止められなくて。だけど、先生を呼ぶわけにもいかないし」

「なるほど。それでボクたちを呼んだんだねー」

「……俺がケガ人ってこと忘れてねぇか?」


とにかく行ってみるか、と全員で生徒会室へと向かった。


そこでは――。


「……っ!」


佐々木会長の胸ぐらを、小林副会長が掴んでいた。


「見損なったよ」


今にも殴りかかりそうな、副会長。


「なんとでも言えばいいさ」


不敵な笑みを浮かべる、会長。


「なっ……なにやってるんですか!?」


わたしの声で、ようやく2人がこっちを見る。