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「はぁ? ほっぺたにチュウ?」

「……うん」


週明けの月曜日の昼休み。

屋上で。


「モトコからお願いしてそんなので終わるってヘタレなの?」

「なあレオ。お前、素子と狼谷のこと応援してたのか?」

「まさか」

「だったらなんで怒ってんだよ」

「焦らしすぎなんだってば」

「いや、待ってレオ」

「なに?」

「ほっぺた、でも。すごかった」

「は?」


目が点になる、レオ。


「……うまく言えないけど。思い出すと、無理」


先生からのほっぺにチュウはヤバかった。


「あれを唇にされるって思うと心臓飛び出そう」

「……死のう、」


レオが立ち上がる。


「ちょ、レオ……!?」

「モトコがカミヤを好きすぎてつらい……」

「バーカ。そんなのわかってたことだろうが。背中押しといてなに言ってんだ」