レオからの差し入れは、プリンだった。


「これって駅前の限定のやつ!?」


感激している優那と、なんのことかさっぱりわからないわたし。


限定とか。

並ばないと買えないとか。

そんな商品に関しての知識は皆無だ。


並んでる暇があれば別のことをしたいし、このプリンひとつ我慢すればなにかしら他の日用品が買える。


……なんて考えながらも

目の前にあるプリンがキラキラして見える。


スーパーに売っている3つ100円のそれとは輝きが違う……。


「せいかーい」

「わざわざ買ってきてくれたの?」

「ナカムラに美味しいデザート買いに行きたいって言ったらここのプリンをすすめられたよ」


ナカムラさんというのはレオの運転手だ。


「美味しいー!」


プリンを頬張り笑顔になる優那。

すごく美味しそうに食べるなぁ。


「モトコも食べてね?」

「あ、ありがとう」


スプーンですくい口の中に運ぶと、一瞬で、溶けた。


プリンって液体でした!?


「2人でなんのハナシしてたの?」

「……色々?」

「イロイロって?」

「だから色々だよ」

「なにそれー」


首をかしげるレオに「女子トークだよ」と微笑む優那。