「優那でいいよー?」

「……優那」


雅人やレオといるときは、レオが黙っていれば会話のない時間がしばらく続いたりするが。


女の子って、ノンストップで話し続けるんだなということを思い知った。


「ただいまー」


しばらくたった頃、ようやくレオが戻ってきた。


「おかえり、レオくん」

「遅かったねレオ」


レオは紙袋を持っている。


「話し合い進んだ?」


そういえば学祭のことはなんにも話していなかった。


「全然だよー。ねえ、それって……」


優那がレオの紙袋に反応する。


「差し入れだよー。みんなで食べようと思って」


自分の飲み物だけ買いに行ったわけじゃなかったの?


「ありがとぉー! 私も付き添ったのに」

「お姫様は王子の登場を待っていてくれたらいいんだよ」

「やだー」


……相変わらずどんなギザなことを言っても似合う美しさがあるな。