「うん。そういう仕事につくの?」

「あー、うん。つけたらいいなぁ」

「へぇ。好きなことを仕事にするんだね」


やりたいことを見つけられていて、偉いなぁ。


わたしといえば、今はまだ

とにかく学費の安そうな大学に入りたい!

……とかそんな目標しかない。


「モトコっち」


(!?)


「モトコっち、いい子……!」


なにその呼び方。

たま◯っちみたいだなオイ。


「私の話をちゃんと笑わずに聞いてくれた」

「普通でしょ。今の話に尊敬するところはあっても笑うところなんてないから」

「そんなことないよ」


早川さんが、真剣な顔つきになる。


「好みが人と違うだけで“異色”扱いして弾いてくる。それが、女の子だよ」

「……え?」

「モトコっちは、他の子とは違うね」

「それは、褒められてるのかな?」

「もちろんだよ」

「……ありがとう」

「レオくんもね。そうだったの」


(……?)


「私が身につけてるものって幼いって思われがちなんだけど。ヘアピンをかわいいねって言ってくれたり。プリントにラクガキしてたドレスのデザインを褒めてくれたり。あんなにキレイな子が私の趣味を認めてくれるなんて、それだけで舞い上がっちゃうよね」