『誰にも言うなよ?』




ぜったいにぜったいに

成功させてみせるぞ、と。


気合いを入れたはいいが――。


「みんな帰りすぎだろうが」


放課後、教室に残ったのは


レオと わたしと


それから、早川優那の3人だけだった。


ちなみに雅人は病院に向かった。


割と乗り気だった女子たちも

「衣装楽しみにしてるねー!」と帰って行った。


カラオケやら合コンやら

遊びの予定優先で、早々に去った。


……薄情者め。


「まあ初日だしねぇ。ユウちゃんが残ってくれただけでも奇跡だよ」


かくいうわたしも、そんなに遅くまでは残れないが。


「レオくん。台本どうする?」

「どうしようかー。キスシーン入れちゃう?」

「えっ。いいの?」


そこは頬を染めてないで断れよ早川優那。

学祭の劇でそんな過激なことしないだろう!?