そろそろ屋上に戻ろう。

雅人もレオも帰りが遅いと心配しているかもしれない。


「そろそろわたし――」

「待て」


腕を、掴まれる。


「離してください」

「佐々木になにかされたのか?」

「……っ!」

「されたんだな」


やめて。


わたしに、踏み込んでこないで。


「話してみろよ」


言ってどうするの。

事実は消えない。


なにより、この人は悪魔側の人間だ。


「……失礼します」