「だったら君も消えるかい」


まるで、これまでも

誰かを消したことのあるかのような口ぶりだ。


「僕に従わない人間はここに要らないからね」


そうやって脅せば、自分の思い通りになるとでも思っているのだろう。


「……頭おかしいんじゃないの?」


屈するもんか。

あんたみたいな腹黒より、エリカやレオみたいな得体の知れない怖さを持ったやつの方が何杯も怖い。


「おかしいのは君だ」


――ドン、と壁におさえつけられる。


「ちょ、」


手首を掴む手に力が入れられる。


「な、なにする気よ」


口で説得できないから力で脅す気?


「僕につけ。狼谷じゃなくて」

「は……」

「あんなやつにシッポをふるな」