「君は、一人だった。周りに流されるような人間じゃなかった。そんな君に僕は……」
「……?」
「期待、していたんだけど」
(期待……?)
「それって、会長の言いなりになるという“期待”ですか?」
会長は、なにもこたえない。
この男がなにを企んでいるかまるで読めない。
「だったらそんなの期待するだけ無駄ですよ」
言いなりになんて、誰がなるか。
「絶対に成功させてみせます」
「どうせ、うまくいかないさ」
「なぜ?」
「いくらでも僕が邪魔してあげるから」
「っ、それでも生徒会長ですか」
最低だよあんた。
「まだ遅くない」
「は?」
「僕側について、クズを一掃しないか」
入学したてのわたしなら
幾分か会長に賛同したかもしれない。
授業の妨害をするやつら。
他人をイジメて楽しむやつら。
みんな、みんな
いなくなってしまえばいいと
願ったかもしれない。
生徒会長を敵にまわしちゃいけないと。
むしろ味方につけようと行動したかもしれない。
だけど――。
「興味ありません」
「……!」
「協力なんて、絶対しません」
今のわたしには……
佐々木会長。
あなたが、クズに見えます。


