雅人もレオも信頼できるやつだ。
チクったりしないだろう。
と、なると。
どこからバレたのか検討がつかない。
「君のクラスの、ほら。銀髪の男の子」
――?
銀髪って……。
レオのこと?
「彼に聞いたんだよ。君が無届けでアルバイトしてるって」
「そんな……」
どういうつもり?
なんでレオが会長に告げ口なんてするの?
もしかして……。
わたしと狼谷を引き離すため……?
「危ない仕事なんだって?」
(え……?)
「それじゃあ学校は許可を出せない。新聞配達とか、そういう仕事を選び直してくれるかい?」
「……危なくなんて、ないです」
小さな仕事から大きな仕事まであって、中には危険の伴うこともあるかもしれない。
だけど、狼谷がわたしに危ないことさせるとは思えない。
現に今はただの清掃員だ。
それになにより、アイツの傍にいる以上の安心なんてない。
「ちゃんとした場所です」
「認めるんだね。無届けで働いてることは」
「……!」
まさか。
確信はなかった……?
今のは誘導尋問?
「そんな生徒に模擬店は任せられないかな」


