「小林くん。木乃さん怖がってるじゃないか」
「なんだよ。佐々木も気になってんだろ? あの男の正体」
「まぁね。でも、彼はヒーローだ。彼の出現によって暴走族は撤退した」
(会長は、わかってくれてるんだ……!)
「はいっ。あの男が、暴走族を追い返してくれていました!!」
「ね?」
チッと舌打ちすると、副会長が生徒会室から出ていった。
シン……と静まる生徒会室。
「小林さんのこと……わたし、怒らせちゃいましたか?」
どうしよう。
これで不利になって模擬店勝ち取れなかったら。
「小林くんはね。とても気が短いから、いつもあんな感じなんだ。冷めるのもはやいから、すぐに戻ってくるさ」
「そうですか……」
そういえば、他の人はいないなぁ。
会長さんと2人きりになってしまった。


