「なんか……わりぃ」

「ど、どうして雅人が謝るの」

「まだ、想ってて。未練がましいよな」


いや、それ、すごく照れるやつだ。


「迷惑、とかじゃないの。応えられないのが申し訳ないの」

「ンなこと気にしなくていいっつーの。勝手に好きなだけだし」

「っ、」


雅人から好かれたら誰でも嬉しいよ。

わたしだって。

想われるのは……嬉しいよ。



このとき、レオは 

いつもみたいに茶化すことなく、なにを考えているかわからない顔でわたしのことを見ていた。



 *



「学祭の出し物についてなんですが、」


LHRで教卓の前に立つわたし。


本来なら学祭の進行は実行委員が進めるのだがこのクラスにそんな仕事をしたがる生徒などいない。


よって、仕方なく委員長であるわたしが引き受けた。


話を始めたいが誰も聞く耳を持たない。


はーなーしーをーきーけー……


「その中だったらボクは、模擬店したいなぁ」


関係ない話でざわつく教室内でまともな意見をあげたのは、レオだった。