「ねえ雅人。すずかちゃん、どう?」


雅人の妹のすずかちゃんは、学校でクラスの女の子たちからイジメられていた。


「おかげさまで、うまくやってる。ほとんど休まずに行ってるよ」

「そっか。よかった」


すずかちゃんは第一印象こそ大人びた美少女でミステリアスだったけれど、中身は年相応の傷つきやすければまだまだ甘えたい年頃の女の子。


だけど、雅人の家のリビングでレオがわたしを押し倒している現場を目の当たりにしても動じなかったあたり侮れない……。


「クラスの女子がすずかをイジメてきてた原因が、好きな男がすずかのこと好きって理由だったらしい」

「え、逆恨み?」

「ああ。その女子が俺を好きになったみたいで……」

「は!?」

「態度が180度変わったんだとさ。なんていうか……女ってすげぇな」


たしか、すずかちゃんて小6だよね。


「すずか、そいつらのことすっかり家来扱いしてる。ほどほどにしとけよとは言っておいたが。本人楽しんでてさ」


そ、それは

レオのせいじゃ……。


「先が思いやられる」


すずかちゃんには、エリカみたいな女王様の血が眠っていたのかもしれない。


あれだけ可愛かったら男子も喜んで言うこと聞きそうだなぁ。なんて。


「学校での話を家でしてくれるのは、よかったね」

「まぁな」