そんなこんなで、雅人の家にやってきた。
レオと。
「すずかちゃんは?」
「……部屋にこもってるだろうな」
いつも通り、か。
「ボクが呼んでこようか?」
ニコッと笑うレオ。
「レオをすずかの部屋に行かせるわけねーだろ」
「やだなぁー。あんや未成熟な子に悪さはしないよ。ボクはモトコ一筋だしね」
レオの発言のどこまでが本気なの……?
一度だけ真面目に告白されたものの、それ以外はいつも冗談っぽく言ってくるから慣れたというか。
「青山くん、落ち込んでるのー?」
「っ、なにが」
雅人が、レオの言葉に少し動揺したように見えた。
「自分の妹がイジメられてたことに気づいてあげられなくて」
そうか。
雅人は、すずかちゃんのこと『甘やかされて育った』なんて言っていたもんね。
だから、不登校の理由が“甘え”なのかもって思ってたのかな……。
ショック、だよね。
妹が知らないところでイジメられてたなんて知っちゃ。


