すずかちゃんが、走って公園から出て行ってしまった。

家に帰ったのだろう。


「あーあ。青山くんは、ほんとに女心がわかってないねぇ」

「うるせぇな」

「あの年頃の女の子なんて、すごくナイーブなんだよ」

「……わかってるよ」

「わかってないよ。すずかちゃんは、あの子たちとの仲を丸くおさめるより、もっとストレートに守ってもらいたかったと思うなぁ。『妹イジメたらころすよ』とか言ってさ」


それは言いすぎだろ。脅してどうすんの。


「…………」


真面目な顔つきで黙る雅人。


「と、とりあえずさぁ。雅人の家行こう! ほら、急がなきゃせっかく買ったアイス溶けちゃうよ」