雅人の家に向かう途中、公園の前を通過しようとしたとき――。


「あそこにいるの雅人の妹さんじゃない?」

「え?」

「あー、ほんとだ。すずかちゃんだ」


あの子が家の外に出るイメージがなかったので驚いた。


「一緒にいるの、友達かな」

「…………」


雅人はなにも答えず険しい表情を浮かべている。


「なーんか、ヤバそうな空気だよねぇ」


言われてみれば、妹さんが、女子3人に囲まれているようにも見えるが……。


「……わたし、行ってくる!」


自転車を立てかけて公園の中へと足を踏み入れた。