レオの話によれば、
あのお店は噂をききつけた警察からマークされていたものの決定的な証拠はつかまれておらず、捜査令状が出る前に関係者が雲隠れしたらしい。
その関係者の一人が、エリカの彼氏だった。
更にエリカの彼氏というのが――。
「えっ……江藤先生?」
この学校の
江藤(えとう)という男性教諭だった。
「そうさ。エトウはエリカと交際し、エリカを使い女子生徒にあのカフェを紹介させていた」
教師が生徒と付き合っているだけでも信じられないのに、そんなことまでしていたなんて。
こんなことが明るみになれば大問題に発展していただろう。
「世間に知られる前に店をなくし、江藤にも消えてもらった。これが、狼谷の描いたシナリオってことか」
と、雅人。
どういうこと?
狼谷先生は悪者に手を貸したの?
「青山くん惜しい」
「なんだよ。惜しいって」
「カミヤは、あくまで『誰か』のシナリオを遂行しただけだよ」


