昼休み、屋上に三人で集まるのが恒例となっていた。


「レオ、制服やっと買ったんだ」


衣替えもとっくに終わり、みんな夏服になった頃レオが長袖の白いカッターシャツに指定のズボンを履いて登校してきた。

半袖でないのは健康上の理由なのか単に趣味なのか定かではないが、パーカーにTシャツ姿から一転してすごく『お坊ちゃん』感のある生徒へと変貌した。


「ねえ、ボクの制服姿、似合う?」

「うん。意外としっくりきてるね」

「結婚したい? する?」

「ぶっとびすぎだろうが」


とまぁ、相変わらずレオとはそんな絡みをしている。


「……結局あのお店、なくなったのかな」


あの日のことは、なんとなく話しづらくて口にしてこなかった。


「なくなったよ」

「……! レオ、なにか知ってるの?」

「まーね」


てっきり謎に包まれたままフェードアウトしたのかと思った。


「営業停止ってこと? でも、ニュースや新聞にはなんにも出ていなかったよね……あの日のこと」

「出せなかったんだよ」

「どうして?」

「モトコとボクが去ったあと。あの日、現場でなにがあったか知りたいかい?」