「大人しくしてろって……アレさぁ。つまり“木乃素子に手を出すな”ってことでしょ?」
「え……」
「一体どこで見つけたの。あんな男」
アイツはエリカに、わたしをイジメないよう釘をさしてくれたの?
「……偶然、出逢ったんだよ」
準備室で先生の本性を知らなかったら今もわたしは先生をダサいと思っていたのかな。
「それってほんとに偶然なのかな」
「え?」
「またね」
不敵な笑みを浮かべ、エリカが車に乗り込んで行った。
どうしてエリカは最後にわたしに会いに来たのだろう。
校舎に鳴り響くチャイムに気づく。
「やっ……ば!!! 遅れる」
急いで次の授業が行われる教室へと向かった。


