『誰にも言うなよ?』



「……っ、」

「ははーん。図星か」

「……た」

「ん?」

「よかっ、た」


どうしてかわからないけど


もう会えないかもしれない気がして


そんなの絶対に嫌だって思ったから


「もう危ないことしないでっ……」

「それは約束できないな」

「先生はボソボソと授業だけしててよ」

「ははは。もっと大きな声でハキハキと話せって言ったの誰だった?」

「バカッ……」

「ごめんな」


大きな手が頭にかぶさったとき

大粒の涙が溢れてきたのは


「言ったろ、守るって。なのに俺がくたばってどうする?」


ここに先生がいてくれて、心から安心できたからだ――。