『誰にも言うなよ?』




――翌朝。



登校したわたしは、雅人と別れると


一目散にあの場所へと向かった。


そう……


国語準備室に。


「来たか、モト公」


モッサリした無造作ヘア。


長すぎて目にかかっている前髪。


大きな黒ぶち眼鏡はとんでもなくダサい。


先生モードのアイツが、そこにいた。


「朝から呼び出さないでください。迷惑です」

「その割にはシッポふってきたじゃないか」

「なっ……誰が、シッポなんて……」

「いつもより大きく振っております」

「はあ!??」

「悪かったな。心配かけて」


――!


「もしかして昨日の夜も俺のせいで起きてた?」