『誰にも言うなよ?』



おそるおそる、画面に触れて


そのメッセージを開く。


【おやすみ】


「……え、ちょ、」


これどうやって返事送るの?


こっちからオヤスミって返すには……


ええと……


「うわっ、なんか変な画像押しちゃった」


ネズミが眠っているイラストだ。


と、そのネズミの横に


“既読”と表示されたことに気づく。


先生が、たった今

わたしの送った画像を確認したってこと?


「……はは」


たったこれだけのやり取りを、心の底から楽しんでる自分がいる。


「返事は……こないか」


安心したせいか睡魔に襲われ


気づけばわたしはスマホを握りしめたまま、眠りについていた――。