あれだけのお洒落ができるのだからエリカが金持ちだというのは一目瞭然だ。
バッグは高校生らしからなぬ高そうなもの(わたしでも知っているような有名なブランドものだ)を持ってきているし、それだってコロコロとかわっている。
同年代の子たちが喉から手が出るほど欲しくても現実問題は高くて買えないものを、彼女なら簡単に手に入れている。
そういうところもまた、彼女が女子から憧れられる要素なのかもしれない。
ひとことで言うと“雲の上の存在”。
エリカにはカリスマ性がある。
こんな不良校にいる意味がよくわからない。
なにもわたしは
エリカを絶賛しているわけじゃない。
単純に、客観視してみたエリカが
そういう人間だっていうだけで。
特別、好きでも嫌いでもない。
エリカとは卒業すれば会うこともないだろう。
愛美や菜々のようにヘコヘコしようとも
仲良く繋がりたいとも思わない。
これまで通り、これからも
“程よく利用されるクラス委員”でいようと思う。


