「もーとーこ」 隣までやってくる、レオ。 そんななつっこい笑顔をわたしに向けるな。 シッポをふった犬みたいなオーラを出すな。 アンタがわたしにしたことを忘れたとは言わせない。 「そこ、かわってくれるよね?」 わたしの隣の席の男子にレオが問いかける。 「は?……いいけど、別に」 いや、かわらなくていいから!! そこはNOといってほしかった。 「よろしく、モトコ」 ニコニコと微笑んでこっちを見るレオ。 ――悪夢だ。 わたしは、ただ 静かに勉強がしたいだけなのにっ……。