「青山。木乃になにか着るもの貸してやれば」


わたしは先生のスーツを羽織ったままだ。


「あ……大丈夫です。ジャージに着替えてきますから。雅人、洗面所借りるね」

「なんだ木乃。ここ来るの初めてじゃないのか」

「……へ?」

「そーかそーか」


意味深に笑う先生に「セクハラ教師」とツッコむ雅人。


さっきまで絶体絶命だと思っていたのに

二人のおかげで、いつもの生活に戻ることができた。


……ほんとに、ありがとう。


「着替えてくる」


リビングから出ようとした、そのとき。


「増えてる」


妹さん、登場だ。