なにも答えない雅人に、愛美が更に問いかける。


「ダサいし……暗いし、携帯も持ってないような貧乏人だよ?」

「それ以上いうと怒るよ」

「……え?」

「自分の女のこと悪く言われていい気分しないから」


いっ、

言っちゃった……!!


「自分の……オンナ……?」


目を最大限に見開く愛美。

それ以上は、なにも言えないようだ。


思いがけない雅人の言葉に

クラスメイトたちが再びざわつき始める。


チラっと菜々の方を見ると、菜々も驚いている。


エリカは表情ひとつ変えずこっちも見ていない。


「素子のこと傷つけてみろ。俺が許さねぇ」


愛美の目をまっすぐ見てそう伝える雅人。


演技だとわかっていても、みんなの前でそんな風に言われると照れくさいものがある。


(……っ、嬉しい……)


守られるって、こんな気分なんだね……?