ビックリした。

ビックリした。


……ビックリしたぁぁああ!!!


抱きしめられるなんて思いもしなかった。


部屋なんてとてもあがれない。

あれ以上2人きりになれば、わたしの心臓はもたないだろうから。


全力で自転車をこぎ家に帰ると居間でおばあちゃんがテレビを見ていた。

流れているのは、相撲だ。


「おかえり、素子」

「ただいまおばあちゃん」


うん、これだ。

わたしの日常はこうでなきゃ。


あんな大きな家で美しい住人と過ごす休日なんてわたしらしくない。


ましてやそこにラブ要素なんて必要ない……!!