そこには白いワンピースを着て笑っているひとりの女性。

すごくすごく綺麗な人で優しい笑顔。

一瞬で目を奪われてしまって写真に見入っていると……。


「なにしてんだよ」

突然、後ろから声がして肩がビクッとした。


「こ、聖なんで……」

もしかしてアルバムが遅いから様子を見にきたとか?まだ匠さんと庭にいたはずなのに……。


「なんでって、ここ俺の部屋だし」

「ええ?」

ま、待って。ここって昴さんの部屋じゃなかったの?てっきり私はそのつもりでいたんだけど……。


「兄貴の部屋はあっちの突き当たり。つーか窓の外見れば普通に分かるだろ」

「窓の外?」

言われて外を見ると、そこには見覚えのある部屋。カーテンを閉め忘れたらしく中は丸見えで、ベッドには脱ぎっぱなしになっている部屋着が。


……どう見ても私の部屋だ。

というか、こんなに聖の部屋から丸見えなの?

恥ずかしいを通り越して普通に泣きたい。


「着替えとかヤバいじゃん……」

ぽつりと独り言。


「だからカーテンは必ず閉めろって言っただろ」

「み、見てないよね?」

「見てねーよ。見えたのは俺の責任じゃない」

「うう……」

ああ、絶対に見えたのは最初の1回だけじゃなさそう。

しかも着替えに限らずお風呂上がりのヨガとか鼻唄とかもバレてそうで、ますます泣きたいよ……。