「茉莉と晶くんは合いそうだよね。付き合ったら可愛いカップルになりそう」
「もう!勝手に話を進めないでよ……」
付き合うとか私には縁のないことだよ。
モテないし、そういうタイミングをことごとく逃してきたから、なんでみんな普通に彼氏ができるんだろうって不思議に思う。
「じゃあ、好きな人ができたら教えてね」
「はは、できたらね」
景ちゃんの話を流しつつ私はハサミを手に取った。布と型紙を重ねてハサミで点線を切りながら「好きな人か……」と聞こえない声で呟く。
好きな人なんて今までできたことないな。
だから恋愛ってよく分からない。
そんなことを考えていると何故か聖と目が合って、不自然なぐらい目を反らしてしまった。
なんでこのタイミングで目なんて合っちゃうのかな……。
あの見透かされてるような瞳で見られると心が読まれてるんじゃないかって錯覚しそうになる。
「っ……」
と、その時。人差し指に痛みが。
ぼんやりとしていたせいで布を持っていた左手をハサミで切ってしまった。
「ま、茉莉大丈夫?」
景ちゃんが心配そうな顔。
「う、うん……」と返事はしたけれど、けっこうざっくりと切ってしまって血が止まらない。
「早く保健室に行ったほうがいいよ!」
絆創膏は手元にないし、私は先生の許可を取って保健室に行くことにした。



