「たぶん限界だったんじゃねーの。本当のことを隠して生活していくことが」
すると寂しげな返事が隣から返ってきた。
「それでたまたま新しい場所に引っ越して、知り合いも環境も変わって。んで、たまたま打ち明けたいと思う相手がお前だったってだけの話だろ」
一条聖が飲み物を飲みながら星空を見つめた。
「まあ、そんな重荷を勝手に背負わされたお前には同情するけど」
「重荷じゃないよ!」
考える暇もなく気づけば大声でそんなことを言っていた。いつもポーカーフェイスの一条聖の顔が驚いた表情に変わる。
「たしかに最初はビックリしたし、ワケ分からない時は怖さもあったけど今は怖くない。昴さんも晶くんもいい人だし、友達としても隣人としても仲良くできたらいいなって思ってる」
「………」
「だから話してくれて良かったよ!」
タイミング的にとか、たまたまとか、それでもいい。
誰にも打ち明けられないことを抱えて悩んでいた時間が私に話したことで少しでも解消されたのなら、それは十分嬉しいこと。



