「私の他に何人がこのことを知ってるの?」
素朴な疑問。
「血縁関係がある身内だけ。あとは誰も知らない」
「え?仲のいい友達とか……ほら、小学校とか中学校の知り合いとかは?」
「友達はいない。兄貴も晶も今まで誰にも言ったことはなかったよ。そうやって隠して生活してきたんだ」
きっと色々な苦悩があったと思う。今の私じゃそれを理解してあげることもできないけど。
「だからお前だけ」
「え?」
「俺たちの秘密を知ってるのはお前だけだ」
ドキッと胸が熱くなる。
満月のような丸い瞳でじっと突き刺すように私を見つめている。
目が反らせない。
そのサラサラとした黒髪が風で揺れるのでさえ、スローモーションに感じるくらい刻が止まって見える。
「な、なんで私なんかに……」
そう返事をするのが精いっぱいだった。



