足音さえ聞こえないし気配も感じない。
だけど晶くんはいる。しかもすぐ近くに。
と、その時――。
ずっと黙っていた霧島くんがくるりと後ろを振り返って、そのまま〟なにか〟を力強く掴む。
「ぐっ……」
晶くんの苦しそうな声と共に透明化が解かれて、霧島くんは晶くんの首を掴んでいた。
そしてそのまま壁に押し付けるように移動して、背の高い晶くんの身体が宙に浮きそうなぐらい上へと突き上げる。
「お前ごときが気安く俺の背後に立つなよ」
そう霧島くんが言い放ったあと、その瞳が怪しく光って気づけば晶くんは気を失うようにその場に倒れてしまった。
「……あ、晶くんっ!」
慌てて駆け寄って声をかけても反応がない。



