霧島くんの瞳はブラックホールみたいに濃い色をしていて長時間見つめていたら二度と出られないんじゃないかと思うほど深い。
「な……なに?」
動揺したらなめられると分かっているのに身体が震える。
「お前、俺のことを下等だと言ったな」
「そ、それがなに?」
あの時はムカついて強い言葉を言い返してしまったけど間違ったことは言ってない。
まさか根に持っているとか?
私になにかするつもり……?
ゴクリと息を飲んだあとに何故か霧島くんはフッと笑った。
「俺に歯向かってきた女は初めてだ。罰としてこの〝体質〟を変える手助けをしてもらう」
「ど、どういう意味……んっ!」
すると突然視界が暗くなって気づけば乱暴にキスをされていた。
「……んんっ……!!」
バタバタと手足を動かしてもどうにもならない。
イヤだ。なんでこんなヤツと……っ。
涙目になりながらも次第に私の抵抗は弱くなる。
ドクンと心臓がうるさいのはキスされたからじゃなくて視界に見える光景。
教室に舞う黒い羽。そして漆黒の和装。
私の腕を掴む霧島くんの爪がまるで鳥のような形をしていて、それが皮膚に食い込んで痛い。
大声を出したいのに声が出なくて不覚にも美しいとさえ思ってしまった大きな翼。
髪の毛も瞳も服装も何もかもが真っ黒で、まさにそれはカラス。



